6月28日♪雨に唄えば
6月28日(土)14:00より♪
「音楽の花束」シリーズ vol.6
ブロッサム ティータイム コンサートに出演してまいりました。
ピアニストは木戸俊輔くん
主催ブロッサムさんが、素敵なチラシを作ってくださいました♪
この日はあいにくの雨。それでもお客様は満員♪
長靴をはいた可愛いらしい小さなお客様がいっぱい集まってくれました。
とても小さな会場ではありますが、
当日はお客様にちびっ子がいっぱい♪でした。
みんなで雨に唄えば、元気が出てくるかな?
最後にはアンコールで子ども達みんなと大きな声で歌いました。
次回はぜひ、もっと沢山の歌を歌いたいね☆
コンサートの間、ちびっこ達はとても真剣な眼差しで
一生懸命演奏に耳を傾けてくれていました☆
休憩のお菓子タイムの前に、
祖父母の時代の方が懐かしいとおっしゃる「お菓子と娘」を演奏。
お菓子大好きなエクレアをむしゃむしゃ食べるパリ娘の様子を描いた曲の後に、
ちびっこが大好きなお菓子タイム♪
みんな楽しそうですね♪
突然の展開だけれど ・・・
*ここからは、ほんの少し、シリアスモードで書いてみようと思います*
ロシア歌曲「風ではない、高みから舞う風のように」
グノーの「Ave Maria」、 久石譲さんのさんぽ・・・
様々な曲を演奏させていただいた。
子どもの真剣に聴いてくれる姿を目の当たりにすると、
なぜかいつになく緊張する。
毎日のように子ども達に触れていても、
この日は「真摯な演奏がしたい」そんな風に
背筋が伸びる想いになっている自分を感じた。
お客様である小さなお子さんや、皆様に曲について説明中♪
日本の歌「うみ」 ~ うみは広いな大きいな・・・♪ を演奏し、
曲は 「さとうきび畑」 へ。。。
沖縄の戦禍の悲しみを語っているこの曲は寺島尚彦さんの作品である。
広く広く広がるさとうきび畑が揺れるなか、太陽の光が自分を照らす・・・
周りをみても、ただたださとうきび畑が広がるばかり ・・・・。
本当に幸いなことに、私は過酷な戦いの場を知らない。
どんなにこの曲を歌っても、歌おうとしても、
私には想像することしかできないのだ。
「芸術」として受け継がれてきた素晴らしい音楽たち・・・。
そのどの音楽や、どれほどに美しく深い詩や、
その時代の困難に触れた詩によって描かれている音楽を演奏しようとも、
それは私が感じられる範囲のものでしかない。
だからこそ、それをより深く感じられる人間でありたいと願い、
自分を磨かねば...そう強く思う。
けれど、そう、やはり想像にすぎないのだ。
今感じる私たちの言葉で、想いで、詩で描かれる曲。
そちらを演奏する方が、より共感を得やすく、
より私自身が共感しやすいことは、納得納得、よく理解できる。
ではなぜなぜ私はクラシックというジャンルを選んでいるのだろう?!
その答えは・・・やはりわかるはずもない ・・・。笑
ひとつ感じることは、新しいものを生み出していく作業と、
受け継がれてきたクラシカルなものを、今の時代に生きる一人として
現代の形に変化させていくこと・・・
その両方に私は意味を感じているように想う。
私は詩を書く。拙いものだが、私に描ける言葉で詩を書いてきた。
自分の言葉で描く世界は、とても好きだ。
同時に、クラシカルなものには
その時代にしか描けない音楽、詩、夢、心情、色彩 が溢れている。
そこには、今の自分の時代に生きる自分では計り知れないことが
たくさん存在し、私に色々なことを教えてくれる。
魂のほんの僅かな共有を、時代を超えてできるような想いになる。
同時に、私さえも知らないような歴史上の出来事を、
子ども達の幸せな未来のために、大人が伝えていかねばならないことが
あるような気がしている。
どんなに今の私がそれを語り伝えようとしても、
それを経験し、感じた人が描いた真実の世界、願いに勝るものは
ないようにも思えるのだ。
大げさなほど大袈裟に書いてみた私だが、
それでもやっぱり、心をうつ言葉や音楽、芸術や心、魂は
時代を超えて存在するように思える。
もしかしたら、存在していてほしい、と願っているのかも知れないけれど...。
古き良き忘れたくないものを、より素朴に、より鮮明に、
どうしたら今の時代に自然な形で遺していけるのかな・・・ なんて
一人前に考えている今日この頃なのだった。
長い長い余談のあとに、
ここでやっとこ演奏会のプログラム、「さとうきび畑」の再登場だ☆
この曲はとても長い曲で、本来は10番以上の歌詞がある。
ざわわざわわざわわ、広いさとうきび畑は、
ざわわざわわざわわ、風が通りぬけるだけ。
知らないはずの父の手に、抱かれた夢を見た
夏の日差しの中で ・・・
ざわわざわわざわわ、けれどさとうきび畑は
ざわわざわわざわわ、風が通りぬけるだけ・・・ 」
と、悲しい詩が続いていく。
この詩を、激することなく淡々と切々と演奏したいと願う私。
この曲がもつ静寂だけで、悲しみは十分すぎるほど伝わるような気がする。
そして、私の前には小さな小さな未来ある子ども達の姿。
photo:Akira Takenami
改めて感動してしまったこと、私がこの日出逢った素晴らしい宝物は、
子ども達の本当に純粋な、真っ直ぐな心だった。
詩の意味もよく解らないほどの幼い年齢の子ども達は、
その日、「さとうきび畑」を、どの曲よりも一番真剣に、
音一つ出さずに聴いてくれていた。
私にとって、それはとても幸せな経験だった。
そしてこれが音楽の素晴らしさなんだな、と感じさせてくれた。
さとうきび畑のこの曲を、いつか思い出し、
ふとその詩を感じてくれる日がきたら、 本望である。
そして、アンコールでみんなで歌った「ふるさと」
きっとちびっこは馴染みがない曲に違いない。
けれど、みんな一生懸命歌ってくれました。
同じ歌を歌うって、空気が一つになるような気がして幸せだ。
小さな可愛いお客さまの皆さん、元気な歌声をありがとう♪
どんなに音楽や音楽家としての疑問や悩みにぶつかっても、
こうしてとても静かに静かに、眼には見えないけれど、
心と心を繋げてくれる音楽の糸を感じる度に、
また紡いでいきたい、少しでも長く紡いでいきたい、そう思う私がいる。
コンサートの主催:ブロッサム音楽事務所さま、本当にありがとうございました。
ご推薦下さった舩渡正展さん、
写真を撮影して下さった竹浪明さん、桐生さん、ありがとうございました☆
ピアニストの木戸俊輔くん、素敵なピアノをありがとうございました♪
そして、足もとの悪い中をおいで下さったお客様、元気な可愛いお客様、
本当にありがとうございました。
成長したみんなに再会できることを願って☆ Soprano♪中村初恵
Thank you for you coming to my concert !!
(2009年07月28日) | Twitterでつぶやく |
コメント一覧
小さな素敵な演奏会だったのですね。
年齢の離れた後輩に色々なことを説明しようとするとき、自分自身が常に試されていることを感じます。
まっすぐな気持ちだからこそ、そして、自分の今までの経歴、知識など通用しない相手だからこそ、丁寧に接しなくてはならないですね。
その緊張感は僕も少しだけわかるような気がします。
でも、音楽は人の心にストレートに入っていくものだから、上手に伝えれば、理屈なんか説明するよりもよほどきちんと子供達にも伝わるものですね。
今回も初惠さんのメッセージはきちんと後輩達の胸の奥深くに刻み込まれたことと思います。
未来中年さん☆
素敵なコメントありがとうございました。
小さな可愛らしいお客様は、
真っ直ぐな目と心をいっぱいに開いて
聴いてくれていました。
未来中年さんも、お子様の前では時に緊張されますか?
後輩たちに、私が教えてもらった素敵なことを
伝えてあげたい!!
・・・ナンテ、
ちょこっと迷惑な先輩心でいっぱいになってしまいました♪