子どもとTシャツと高みから舞う風と　 - クラシックを超えて･･･ ソプラノ歌手♪中村初惠 Soprano Singer

年に一度、日本財団ビルで1週間ほど開催される「T-シャツアート展」☆
日本中のデザイナーやクリエイターの方々が粂繊維さんが制作するT-シャツに
想い想いのデザインをし、そのTシャツの収益をNPOなどに寄付しよう、という活動だ。
＜アーティストが、アートを社会活動として、社会に貢献するためには＞
というテーマをもって企画され、集まり、開催されているようだ。
私は、「Tシャツアート展　Stop　D.V.　~子どもを暴力から守ろう」
をテーマにした第1回目の企画から参加させていただいている。
「声楽家に納まらないアーティストとして活動していく社会への参加意義と方法」、
「子どもの、地球の未来」。
これは、私自身が音大の学生時代から考えてきた最大のテーマだ。
そして、いまもこれからも模索していきたいテーマでもある。
そんなことを改めて考えながら、コンサート後記を書いてみたいと思う。

photo:AkiraTakenami

Photo:AkiraTakenamiチャリティーコンサートにて、イベントＴシャツをドレスの上から♪

さて、「今日の笑顔、未来に輝け」とのタイトルをつけさせていただき、
イベントの一つとして出演させていただいたランチタイムのチャリティーコンサート。
ピアニストは木戸俊輔さんにお願いしました。
平日のお昼時にも関わらず、会場にはたくさんの方がおいで下さいました。
ひとつのテーマを通して、皆さまと同じ時間を過ごさせていただけたこと、
とても幸せでした☆　皆さま、本当にありがとうございました。

photo:AkiraTakenami　@ Rehearsal （リハーサルにて）

Photo:AkiraTakenami @ the concert （コンサートにて）

一週間を通して開催されているこのイベントには、
様々な企画があったようです☆
こちらの企画、私は伺えませんでしたが、
ろう学校のお子様たちが集い、Tシャツにデザインするような
企画もあったとのお話を伺いました。
会場に行ってリハーサルのときにまず目にとまったもの・・・
それがまさしく、その企画で子ども達が描いた絵の数々でした。
Ｔシャツをキャンパスにして描かれた躍動感と夢に満ち溢れた絵。
その絵はとても自由で、Ｔシャツ目一杯に、彼らの夢が描かれているように感じました。

そして私はふと、「高みから舞う風のようだ」と感じました。
1曲目に演奏させていただいた「風ではない、高みから舞う風のように」
というロシア歌曲。この歌曲の優しい旋律、伴奏、歌詞　・・・
子どもたちの描く絵は、清々しくて柔らかい、高みから舞う風のようだと感じました。

今回コンサート会場に展示されていた「ろう学校の子ども達が描いたTシャツ」。
私はお客さまたちの向こう側にあるそのＴシャツたちと向き合うように演奏をしました。
歌いながらも、私の目にはお客様と、
そしてその向こう側に見えるTシャツが写っていました。
大人のお客さま方の向こう側に見える子ども達の描いた絵。
その絵が何かを伝えたがっている様な、問いかけている様な気がして、
歌いながらも、様々なことが頭を駆け巡っていました。

「現代の子どもたちは」という言葉を大人はよく使います。
けれどもこの言葉、実はいつの時代にも、
大人が同じように使っている言葉なのではないかしら．．そんな風にも感じます☆笑

時代背景や、時代の色、人との関わりあい方がどんなに変わっても、
本当は、子どもたちの心は何も変わっていないのかも知れません。
そして、「大人たちが（時代も含む）それを左右してしまっている可能性」
も、あるのかも知れませんね。

もちろん、私がここで想う「子ども」とは、
まだ自分では判断ができない年齢の子どものことです。

いつの時代にも、良い面と難しい面の両面を抱えているように想いますが、
現在私たちが生きている環境の中で、
「子どもがより才能を発揮でき、未来を見出せるような環境」
そんな環境を築いていくことは、私たち大人の役目なのかも知れません☆
日本という、ある程度の豊かさを享受している国だからこそ、
未来の大人が、生き生きとした世界を築いてくれたらなぁ　．．．
そんなことを願います。

「一般的に言われる若いという年代ではなく、年齢を重ねたというほどの年齢ではない」
「まだ若いです！」なんて思いながらも、
最近私は、自分はそんな年齢なのかな、なんて感じています。
働き盛りな先輩や後輩、同級の人たちと接する中で、
「未来や今ある状況を悲観するだけでなく、どうしたら変えていけるのか」
そう考えて頑張っている姿に出会う度、
私は本当にうれしくて、元気づけられています。

私が大好きなアーティストの方々の中にも、
様々な問題意識を持たれて、地道な表現や活動を重ねられるなかで
多くの大切なものを伝えていらっしゃる方がたくさんいます。
アートは、どなたでも始めることができます。
プロとアマチュアの差は、ほとんどないと言えるのではないでしょうか☆
それでもアーティストが、アートを仕事とする理由　・・・
社会活動として理解してもらいにくいアートという世界と関わり、
その活動を社会に還元していこうとする理由　・・・

私自身にもその理由はまだはっきりわかりませんが、
目に見えないものの大切さ、理屈では言い表せないものを感じることは、
いつの時代にもやはり必要である気がしています。
そこから何かが生まれ、繋がっていく可能性、
人々が抱える様々な意味での壁を超えるための一つとなる可能性　・・・

友人達のように公務員として、主婦として、ＯＬさんとして、
サラリーマンとして、医師として、教員として、母として　・・・
それぞれの分野で懸命に働かれている皆さんに触れながら、
私自身も成長していきたいと改めて感じる私でした。

最後に、今回の「Ｔ-シャツアート展」のイベントに、
私は演奏によって参加させていただくことができ、心から感謝しています。
そして、仲間ができたかのように思い、喜んでいます！

主催のJMAA様からは、今回お車代をいただき、ご厚意に感謝しています。
終演後、いただいたお車代より、Ｔシャツを購入させていただきました。
私が一目ぼれしたＴシャツは、ピンク色の「子どもが描いた絵」のTシャツでした♪
個性的で素敵なＴシャツばかりが並んでいたので、とても悩んでしまいましたが、
子どもが描いたＴシャツ、とっても可愛かったです!!

皆さまがご購入された収益と共に、
少しでも何かに役立つことを心から願っています♪

　　　今回のイベント主催JMAA・竹本明子さん、誉田哲朗さん
　　　粂繊維・粂社長、甲斐誠さん、　
　　　今回演奏もさせていただきました猫ちゃん映画「のら暦」の監督でもあり、
　　　写真を撮影下さった竹浪明さん、作曲家の佃良次郎さん、
　　　スタッフの皆さま、　
　　第1回イベントの際に私をご推薦くださった新日本フィル担当の小々馬慶太さん
　　　にも心からの感謝をこめまして☆ﾐ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　Soprano ♪ Hatsue　　　

　
～　今日の笑顔、未来へ響け　～
日時：6月4日（木）12：00より　入場フリー
出演　　 ： 中村初恵（Sop.）　＆　木戸俊輔（Pf.）　　

世界の歌曲より～Love&Peace～
「風ではない、高みから舞う風のように」作曲リムスキー＝コルサコフ
「ラルゴ～愛しい木陰の下で～」作曲ヘンデル
「アヴェ・マリア」作曲カッチーニ
「私はあなたを愛した」作曲キュイ
日本の歌より～絆～
「おかあさん」中田喜直作曲／堀内幸枝作詞
「ね子守唄」佃良次郎作曲／竹浪明作詞
「さとうきび畑」寺島尚彦作詞・作曲
「くちなし」高田三郎作曲／高野喜久雄作詞
オペラより～娘からお父さんにお願いを～
「私の愛しいお父さん」プッチーニ作曲歌劇「ジャンニ・スキッキ」より
「お友達と野いちごを摘みに」リムスキー＝コルサコフ作曲歌劇｢雪娘｣より
以上の三部構成で、約一1時間、トークを交えて演奏。（休憩なし）
★アンコールの「島歌」を含めて計１１曲を演奏させていただきました★
詳細：http://jmaa.info/

Photo:AkiraTakenami 竹浪さんHP：http://takenamiakira.jp/
☆母が購入した素晴らしい写真家・映像作家/竹浪明さんのTシャツと共に、母と私☆
　
　＜Ｔ-シャツ・チャリティー寄付先一覧＞
子供の未来：未来を担う大切な宝物。
心豊かにのびのび育つ環境を支援しよう。
寄付先一覧：
NPO法人ろう教育センター(東京／品川）
NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス（大阪）
NPO 法人みやぎ発達障害サポートネット
くりこま高原自然学校
NPO法人ウィズ柏（千葉／柏）

地球の未来：支えあう。持続可能な地球の未来を考えよう。
寄付先一覧：
NPO法人北海道市民環境ネットワーク（北海道）
田原市社会福祉協議会（愛知/田原）
NPO法人生活支援サイン（愛知／名古屋）
NPO法人しょうがい生活支援の会すみか（佐賀）