~ 春の軌跡、春の奇跡 ~
桜の花が優しく微笑むその姿を見せはじめた4月4日土曜日の午後、
ボランティアコンサートをさせていただいた河北総合病院「シーダ・ウォーク」にて、
私はたくさんの優しい暖かい微笑みと涙に出逢いました。
大学1年生の頃より様々な病院、介護施設や障害をもつ方々のイベントで
演奏する機会をいただいてきた私ですが、
今年2009年に入ってからは初めてのボランティアコンサートとなりました。
そして、今回の施設「シーダ・ウォーク」での演奏も初めて経験となりました。
photo:Tatsuo Kiryu
photo:Akira Takenami
「My space」で私の演奏をお聴き下さった奥村治さんが、
一通のメールを下さったことから、今日4月4日の物語は始まります☆
写真いっぱいのアルバムです→【Album】
今回のコンサート、お顔も拝見したことのない方からのお便りに少し戸惑いましたが、
こちらの企画をプロデュースされている奥村さんを初め、
シーダウォークの落合直樹さん、そしてピアニストの黒須雅代さん、
スペシャルゲストでご一緒にロシア民謡「カチューシャ」を歌って下さった久保田さん・・・
初めてお目にかかった打ち合わせでも、皆さま本当に暖かく迎えて下さいました♪
そして、真剣に取り組まれている皆さまのお姿は、私に大きな励みとなりました。
Photo:Tatsuo Kiryu
この日のプログラムは全8曲♪
第一部では、日本歌曲「花の街」、Ave Maria/グノー、リラの花/ラフマニノフ
そして久保田さんと共にロシア民謡「カチューシャ」を演奏。
皆さまにも、カスタネットや鈴、タンブリンなどの楽器をお渡しして
ご一緒に演奏していただきました。
第二部では、日本歌曲「お菓子と娘」、私の愛しいお父様/プッチーニ、
マイフェア・レディーより「踊り明かそう」、そしてラストでは「ふるさと」を
皆さまと一緒に歌いました。
プログラム最初は、皆さまの真剣にお聴き下さる姿に、大大大緊張!!
私の拙い司会に一生懸命に応えて下さるおばあさま、歌に合わせて
リズムをとって下さるおじいさま ・・・
正直に言うのなら、感動してしまって歌うどころではなかったのですが、
もちろん歌わねばなりません!!(笑)
皆さまからエネルギーをいただいて、無事にコンサートを終えることができました。
Photo:Tatsueo Kiryu
Photo:Tatsuo Kiryu
科学ではまだまだ証明しきれない不思議なことや奇跡が、
世の中にはたくさん存在するように感じます。
4月4日のこの日も、小さな、けれど大きな奇跡がありました☆
アンコールの「ふるさと」で、お話するのも難しいおじいさまやおばあさまが、
大きな声で一緒に歌い始めたのです。
シーダウォークのロビーは、大合唱が響き渡りました。
なんと懐かしく美しい響きでしょう。。。あの時の優しい瞬間を、私は決して忘れません☆
Photo:Tatsuo Kiryu
「4月4日」、この日は私にとって実はとても思い出深い日のひとつです。
私がソリストとしてデビューしたモーツァルト「レクイエム」☆
この日が、2002年4月4日だったのです。
4月4日の「4」という数字を「死」と読み、指揮者の先生のご意向で
4月4日が「レクイエム=鎮魂歌」コンサートに決定した、
というエピソードを当時伺った記憶があります。
あの日、私は「魂」を見ました。 ・・・ こういうと、なんだか奇妙ですね。笑
わかってはいるのですが、それでもやはり、
私はソリストとして舞台に座り、合唱とオーケストラが重なる響きの中で、
私はとてつもなく美しい空気が客席に広がっているのを、みました。
それは、私の願いだったのかも、妄想だったのかもしれません。
以前にもちらっと書いたことがありますが、レクイエムコンサート本番中のお話です。
ソロの部分を終えた私が舞台上からふと客席をみると、
最前列で目をつぶってひたすら涙する女性の姿がありました。
レクイエムの本番中、涙はずっと止まることはありませんでした。
何を思われて涙されていたのか、もちろん私にはわかりません。
もしかしたら「演奏が耐え難かった、素晴らしすぎた」そんな可能性もありますね。苦笑
けれどもあの時、目には見えない音楽という「響き」が、魂と共鳴することを感じました。
・・・・ あの時の私がこの言葉の通りに感じていたのかは・・・ 微妙ですが。笑
それ以来、私は時にお客様と「出逢えた」と感じることがあります。
人間という肉体を離れ、ふわふわきらきらと浮かぶ皆さんの魂が、
やっぱり肉体を離れたところで存在する私の魂と出逢った感覚 ・・・。
こんな風に書くと、霊界!?魂!?輪廻!? ・・ナンテ、ともすると怪しい空気になりそうですが、
私の場合は、たぶん皆さんも感じられたことのある範囲で
ごくごく普通に感じているようなものだと思います。
この日、「シーダ・ウォーク」でのコンサートは、
春風が吹き、春を感じさせてくれる優しいお天気でした。
演奏が終わった後、私の演奏をお聴き下さったおじいさま、おばあさまと、
お話する機会に恵まれました。
手を握って目を見つめあった瞬間、涙を瞳いっぱいに溜めながら、
私の手を一生懸命に握り返してくれるおばあさまたち。
声にならない声で「ありがとう」と伝えてくれるおばあさま。
・・・ 目を見つ合うだけで十分。言葉は要らないように感じました。
この方々が、私が今いるこの日本を、世界を支えてこられたことを想うと、
こうして力強く生きていらっしゃる皆さまから、私が笑顔をいただきました☆
皆さんの手、本当に暖かかったなぁ。
何人もの方の手と涙に触れている内、
私はこの日、ここに来る約束があったのだな、と思いました。
私が知らなかっただけ。
神様がちゃんと連れてきてくれて、皆さんに会えた。・・・何だかそんな気持ちになりました。
Photo:Tatsuo Kiryu
ボランティアでの演奏 ... 演奏家としての生活は決して楽なものでは
ありません。けれどもその中で、私が何故こうしてボランティアで演奏し続けているのか ・・・
このことを、10年以上の間、よく自分自身に問いかけてきました。
今もなお、問いかけています。
実は私は、ボランティア活動という響きがあまり得意ではありません。
けれどもやはり、様々な施設や病院、学校でのボランティア演奏活動は
演奏家としての活動において、大きな存在であることは事実です。
小さい頃から出逢ってきた人々との様々経験、自分自身の闘病、
そして、私にたっぷり愛情を注いでくれた最愛の亡き祖父の姿 ・・・
やはり出逢った人からのエネルギーが、ボランティア演奏という形を通して
演奏する活動の、原動力になってくれているのだなぁ... そんな風に感じます。
今回は、たくさんの人生の大先輩と出会い、お話することができて、
本当に光栄でした。もちろん、カチューシャをご一緒に演奏して下さった
久保田さんもそのお一人です♪ 歌が大好きなユニークなおじいさまでした!!
またいつかシーダ・ウォークの皆さまにお会いできることを楽しみにしています☆ミ
コンサートに遊びにおいでくださった竹浪明さん、
応援者の皆様、たくさんの写真をパチリして下さった桐生さん、
主催の奥村さま、ピアニストの黒須さん、久保田さん、
今回のコンサートのために様々な面でアドバイスを下さった落合さん、
私に優しい涙を教えて下さった何人ものおじいさま、おばあさま、
そして、今日は両親にも感謝をこめまして ・・・
Soprano♪中村初恵
最後に ・・・ 今回、写真の掲載にはとても悩みました。
お身体の状態が良くない患者さまもいらしたため、その方のことを考えると、
このページでの写真の掲載にはためらいがありました。
けれども、私に素晴らしいものを下さった皆様との時間をここに残しておきたいと想い、
後ろ姿の写真のみを掲載させていただくことにいたしました。
お話して下さった全ての方の写真は載っていませんが、
改めて皆さまに、心から感謝いたします。
写真が掲載中のアルバムはこちらです→【Album】
(2009年04月17日) | Twitterでつぶやく |
コメント一覧
写真の初惠さんの優しい笑顔が印象的ですね。
きっと暖かくて優しい雰囲気の演奏だったのでしょう♪
ご成功おめでとうございます。
4月4日、出会い、なにか全てが大きなものによって決められていたような、必然なような気がしますよね!!
心温まる素晴らしいコンサートだったのですね♪
聞いていただいた皆様、演奏会を支えてくださった皆様、演奏会を企画していただいた奥村様、皆様が一つの空間で幸せいっぱいの響きを共有されたんですね。
私もお手伝いできるときは駆けつけたいと思います。
これからも楽しみにしております。
おんがくすきーさま♪
暖かいコメントをありがとうございます。
これからも「音楽すきー」さんに負けないくらい、
音楽という仲間と共に、
何かを作っていきたいといたいと思います。
未来中年さん♪
暖かい応援のお言葉、ありがとうございます。
これからも皆さんの応援を
音楽や人生に還元できるように
精一杯頑張ります!
ぜひまたの機会においでくださいね☆