オペラ初演「星の王子様」後記♪そして「星の王子様」
四ッ谷駅の桜並木に満開の桜が揺れる4月3日&4日、紀尾井ホールで
東京室内歌劇40期特別公演 映像と音楽で綴る室内オペラ『星の王子様』に出演した。
原作は、サン=テグジュペリ作の「星の王子様」、
イタリア人の作曲家/アルベルト・カルーソさんが作曲した世界初演だ。
今回、私はアンサンブルでの出演。・・・と言っても各パート3人ずつ。
私にとっては久しぶりのアンサンブル! そして、東京室内歌劇場での初めての公演!!
稽古では、母校の教授でもある先生や先輩方の中で、かなりの緊張状態だった。
演出は栗山昌良先生。本番前日のゲネプロで舞台の様子を舞台袖から見ていた私は、
紀尾井ホールを「星の王子様色」に包む映像の美しさや演出に、感動の嵐だった。
下の写真にある衣装を身につけ、歌った美しき「バラ園のバラ」。
「この衣装!?恥ずかしい!!」・・・そんな気持ちとは裏腹に、舞台メイクをし、
舞台上で照明や映像と交われば...、それは「星の王子様」の世界☆
「花のよう」に見えるというのだから、思わず感嘆のため息がでてしまう。
楽屋にて / すっかりバラ気分のバラ園の花々♪(笑)
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本番当日、待機の時には舞台袖から舞台を拝見させて頂いたのだが、
映像がとってもメルヘンチックで素敵だった☆ミ
アンサンブルの一員として、動き、声、音量を合わせることの難しさを久しぶりに実感した。
一つ一つが、勉強だ。
稽古中、そして本番当日、主役の方々が歌われ、舞台が作られていく様子を
私はじっくり見ることができた☆ 勉強、勉強、勉強だ-っ!!
自分がソリストとして演奏させて頂いているときにはなかなか得られない様々なことを
一流の先生方の中で、見て、聴いて、感じることができた。
シャンプーハットの様な花びらをつけている姿で、モデル立ち♪
何とか精一杯のバラらしい表情でライトを浴びる。。。
それにしても、舞台はナント沢山の人々の力で造られているのだろう。
メイクさん、大道具さん、小道具さん、衣装さん、照明さん、事務の皆さん・・・
まるで花火のように上演と共に客席に流れていく「舞台」は、
とても沢山の人々の力で、夢の時間になっていることを改めて実感した。
今回の舞台で特に大好きだったシーン、それは・・・
主役「星の王子様」役の釜洞先生、そしてサン=テグジュペリ役の田中誠さんが歌う部分。
星の王子様が、筆者で登場人物でもある「アントワーヌ(サン=テグジュペルリ)」に
「ひつじ描いて♪」 とお願いするシーン、そして、
王子様が眠くなりアントワーヌが「おやすみなさい」というシーンだった。
優しさがふわっと溢れる様な感じがした。
「星の王子様」、この本は何年も前に読んだ記憶があった。
この舞台に参加させていただくにあたって、原作を改めて読み直してみた。
もちろん今もまだまだ未熟な私なのだが、
今読んでみると、以前とはまた違った印象を受けた。
柔らかく、丁寧にメルヘンチックに描かれている作品だが、
「星の王子様」は、人生のことをふと考えるようになる様な、
「自分を知っている」と感じる年齢の、大人こそが読むべき本なのかもしれない。
・・・そんな風に思い、改めて色々考える機会をもらったような気がした。
先日、4月6日(土)に、「メタカルチャーが創る未来」というシンポジウムに行った。
東京ノーヴィ・レパートリーシアターが主催 (詳細→http://www.tokyo-novyi.com/) のもので、普遍的な諸要素”メタカルチャー”についてのディスカッションだった。
「異文化との交流、そして、現代社会において文化や芸術の向かうべき方向はどこなの?」
というようなことが・・・主題だ。
ロシアからの沢山の教育者や、明治大学教授や神奈川大学の名誉教授など
がいらしたが、皆さんが真剣に討論されて、様々な意見が出されていた。
議論の中で印象的だったのが、私も常に
「異文化交流、現代社会に必要なこと、
それは、子供のような先入観のない目線で人や物と接すること」
という言葉だった。 芸術家にとっても、とても大切なことかもしれない。
すぐに、2日前に本番を終えた「星の王子様」を思い出した。
“大人って変だね” ・・・ 星の王子様のそんな言葉が、頭に響いた。
今回舞台を観においで下さった皆さま、
私に今回の舞台へのご縁を繋げて下さった全ての方々、
そして東京室内歌劇場や事務局の中川さん、竹澤先生にも感謝をこめまして・・・♪
Photo:Tatsuo Kiryu
左 / 応援してくれている友人・戸塚佳江ちゃん
左より2番目 / 映像作家で文筆家の竹浪明さんhttp://takenamiakira.jp/
竹浪さんよりサン=テグジュペリ作の「夜間飛行」をお勧め頂きました♪皆様もぜひ!
中央/ 終演後の私
右 / このHPのデザインもして下さっている横山ひろあきさんhttp://www.jamsand.com/
*** 公演の内容 ***
■2008年4月3日(木)/4日(金) 開演:18:45(両日)
■会場:紀尾井ホール( 詳細:http://www.kioi-hall.or.jp/ )
■原作:アントワ-ヌ・ド・サン=テグジュペリ
■台本・作曲:アルベルト・カルーソ
■指揮:アルベルト・カルーソ ■演出:栗山昌良
■演奏:東京室内歌劇場アンサンブル
星の王子様/ 釜洞祐子 サン=デクジュペリ / 田中誠
狐 / 青山恵子 バラの花 / 三縄みどり
飲んだくれ・地理学者/竹澤嘉明 点灯士・列車の転徹士/太田直樹 ほか
私が演奏した部分 = こだま・バラ園・バラ園への再訪
(2008年04月08日) | Twitterでつぶやく |
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