東京室内歌劇場主催「新入会員コンサート」に出演♪
秋も深まり、銀杏の葉や紅葉も美しく色づく上野公園内の、旧東京音楽学校「奏楽堂」にて、東京室内歌劇場主催「新入会員コンサート」に出演させていただきました。
☆ コンサートにご来場下さいました全ての皆様、本当にありがとうございました ☆
東京室内歌劇場でのデビューコンサート☆今回私は、ロシア歌曲を4曲、そして、ロシアンオペラアリアを1曲演奏させて頂きました♪日本で演奏される機会の少ないロシア歌曲ですが、私にとってもロシアの歌曲を
何曲も揃えて演奏させていただく機会は久しぶり!!今回は和訳も自分自身でさせていただけるとのお話で、
私自身もとても楽しみにしていたコンサートの一つでした。
当日は7人の先輩歌手の皆様との共演、競演(?)に少し緊張気味の私でしたが、楽屋に入れば皆さん優しい方々ばかり♪そして、何よりとても素敵なピアニスト(山崎明子さん)に恵まれ、とても充実した音楽作りの時間を持たせて頂けたことをとても幸せに感じました。旧東京音楽学校奏楽堂は、私が学生時代に恩師の先生や先輩方の演奏を聴きにいった憧れの会場の一つ。反響が少ないので歌うときに少し緊張を感じますが、雰囲気もとても美しくて音楽の温かみを益してくれるような優しさがあり、さすが歴史のあるホール。お客様も奏楽堂前の美しい紅葉と共に、昭和を感じさせる雰囲気を楽しんで下さった様でした♪
ここで、今回私が演奏した曲目についてちょっぴりお話タイム・・・♪♪♪
私の大好きな一曲リムスキー=コルサコフ作曲の
「風ではない、高みから舞う風のように」 (作詩:A.k. トルストイ)
今回もこの曲を一曲目に演奏した。まるで春に舞うそよ風が感じられるようなこの作品は、
「5月の風とまるでそよ風のように訪れた恋」を歌った曲なのだが、
心地よく耳に届いてくれる本当に優しい曲。
初めてロシア歌曲に触れる方に聴いて頂きたくて、ロシア歌曲を演奏する時には
必ず選曲してしまう大好きな曲である。
2曲目は、キュイ作曲 「私はあなたを愛した」 (作詩:プーシキン)
この曲は、TOPの写真にも登場してくれているロシアの大詩人=プーシキンの詩に、
5人組というロシア音楽を築いた中の一人=キュイが曲を書いたものである。この詩は言葉の韻も美しく、数多くのロシアの作曲家が曲を書いているのだが、私が一番心を魅かれたのはこの曲であった。
「私は愛した、何も語らず、ある時は臆病に、ある時は嫉妬に苦悩し、私はあなたを愛した。こんなにも真っ直ぐに、こんなにも優しく・・・。(詩より抜粋)」
きっと誰もが想いに耽ってしまう、そんなフレーズだ。
3曲目のお話が長くなりそうなので、次はラストの4曲目から♪
チャイコフスキー作曲の 「教えておくれ、木陰で君が何を想うか」 (作詩:ソログープ)
日本ではバレエ音楽やオーケストラが有名なチャイコフスキーだが、
とても多くの歌曲を作っている。
男声やメゾソプラノのために書いた曲が多いようだが、彼自身の人生の様々な出来事によって詩を選び、作曲されたような、そんな想いの篭った印象を受ける。ソログープは日本ではほとんど知られていないが、沢山の作曲家が作曲している独創的な詩を書く素敵な作詩家だ。それにしてもさすがチャイコフスキー!和音に迫力、説得力があるなぁ、と、ピアニストの後奏を聴く度に鳥肌がたってしまう。
そして3曲目。私が学んだ初めてのロシア歌曲、私を虜にしたその曲は、ラフマニノフ作曲
「ここは素晴らしい」 (作詩:G.ガリーナ)
ラフマニノフは多くの美しい歌曲を書いている。その中には、戦争の最中、友人を想い、
帰れぬ故郷を想い書いた曲も多いようだ。
ラフマニノフが書いた曲の中でも、聴くたび、演奏するたびに思わず溜息がでてしまうような美しい曲がいくつかあるのだが、
その一曲がこの作品
「ここは素晴らしい」である。
ピアニストの役割はとても重要で、ピアノと歌が編み出すまるで絵画のような音楽。
広がり、透明感、そして、詩が重なり、何とも言えない美しさを生み出してくれる。
「 ここは素晴らしい・・・ 美しく広がる川、そして空、浮かぶ雲 ・・・
ここには誰もいない、ここは静かだ、 ここには神と私がいるだけ。
そして、花々や松の木、そして、君!私の希望 ・・・ (詩より抜粋) 」
シンプルな内容だが、とても深く、難しい。もちろんどの曲も同じだけれど、
歌う機会を頂くたびに新しい発見と課題に出逢う。
私がロシア歌曲に魅了された理由でもある、この作品。この作品を演奏する度に、
『 自分が音楽の中に、風景の中に佇んでいるような気持ちになれる 』
とても美しく雄大で透明な景色の中に佇み、静寂の中に光をみるような、
そんな気持ちにさせてくれる。
これは、演奏をしている私自身にはなかなか得られない感覚で、
私にとっても、とても貴重な空間の様に感じられる。
私はいつもこの作品に思わずため息をもらして感謝をしてしまうのだった。
・・・コンサート終演後などなど♪・・・
コンサートが終わり、歌手の皆様と打ち上げに参加しました!韓国料理のお店で乾杯♪
その打ち上げの席に、私の母校でもある東京音大の助教授で、東京室内歌劇場の理事で
いらっしゃる太刀川悦代先生がご出席下さいました。
学生時代には、試験の時に審査をしていらした、当時はご挨拶をするのが精一杯だった
大先生!!その先生が、私を前に座らせて下さり、とても温かいお話をして下さいました♪
先生は、とても温かくて、時におちゃめ!そして、私の話にも真剣に話に耳を傾けて下さり、
心強く励ましの言葉をかけて下さいました。
先生との素敵な時間に、寒さが吹き飛ぶ位に、とても心が温かくなりました☆
もう一つ面白いお話がありました!★
リハーサルで、ナント!テレビ局の取材が入り、ちょうど私のリハーサル風景が
撮影されました。指揮者の久保田先生も聴きにいらして下さり、まだリハーサルだ
というのに、私の緊張感はMAXに!!笑
リハーサルを終えて楽屋へ戻ろうとすると、ここでもナントカメラが!!
取材を受けることになりました。
緊張していて何を話たのか正直なところあまり覚えていないため、
テレビを観るのがとっても怖いです...!!
でも、とても面白い体験をさせていただきました♪
【 きっと5秒位の放映かと想われますが・・・その模様は
12月6日(木)フジテレビ『ハピぷる』9:55~11:25で放映予定です☆
・・・10月からスタートした新番組だそうですョ 】
いよいよ12月になりましたね。今月20日のコンサートでは、
リムスキー=コルサコフを3曲演奏させていただきます。
帰国後初めて歌う曲もあり、ピアニストの方との音楽作りもとても楽しみです♪
皆様にお会いできることを楽しみに・・・☆
そして、11月30日の東京室内歌劇場でのデビューコンサートを迎えられたことに、
コンサートを担当して下さった東京室内の中川さん、太刀川先生、そして、
足をお運び下さったお客様に心からの感謝をこめて・・・
Soprano♪中村初惠
(2007年12月09日) | Twitterでつぶやく |